長年乗り続けた愛車だけど、故障が多くなってきた……。
これからも乗り続けたいけど、維持費がかかってしまう……。
同じ車に長年乗っている人は、このような悩みを抱えがちです。お別れしようにも踏ん切りがつかず、気が付いたらまた車検を通してしまったというケースは、車好きにとって「あるある」の一つではないでしょうか。
そんなドライバーの気持ちを切り替え、次のステージに進む方法として、廃車供養という選択肢が注目を集めています。
今回は、きちんと愛車とお別れしたい人に向けて、廃車供養についてご紹介します。
目次
廃車供養って、どんなことをするの?
まずは、廃車供養がどのようなものなのか、概要をご紹介します。
車を購入した際に「お祓い」を受けた人がいると思いますが、そのお別れバージョンと考えると分かりやすいかもしれません。
車に感謝の意を伝えるとともに、慰霊や安全祈願を行う
廃車供養では、今まで自分を遠くに連れて行ってくれた愛車に対し、感謝の意を伝えることがスタートです。
車をキレイにしたり、車との時間を過ごしたりして、今までの苦労をねぎらうとともに、廃車にした際の慰霊・あるいは新しい持ち主に対する安全祈願を行います。
人によっては、もはや家族同然の車を送り出すわけですから、中には感極まってしまうドライバーもいるようです。モノを大切にする日本人らしい、素晴らしい儀式の一つと言えるでしょう。
愛車と長く付き合うドライバーは多い
車を買い替えるタイミングは人それぞれですが、日本人は愛車と長く付き合う傾向にあるようです。
自動車検査登録情報協会の統計によると、平成27年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は12.38年となっており、統計を取り始めた昭和51年に比べて、ほぼ2倍の使用年数となっています。
もちろん、車の性能が向上したことも一因にあり、ドライバーの心境だけが変化したわけではないものと思われますが、それでも非常に大事に乗られていることがデータから分かります。
10年と言えば、ペットによっては一生を過ごす時間にも相当しますから、やはり家族のような付き合い方になってしまうドライバーは多いのではないでしょうか。
車処分した。
消失感ものすごい。 pic.twitter.com/ilGGI6lYoD
— まーさん (@3unmoon) November 30, 2019
自分だけでもできるし、神主にお願いする場合もある
廃車供養には、これといった決まりがあるわけではなく、どのような形でもドライバーが納得するなら問題ありません。
自分だけの供養を考える場合もありますし、神主さんやお寺に奉納して供養をお願いする場合もあるでしょう。
答えは人の数だけあり、自分たちが納得できるかどうかが重要です。あまり思いつめることなく、自分と車との関係性からセレモニーを考えましょう。
廃車供養には、どのくらいのお金がかかる?
実際に廃車供養を行った場合、最終的にどのくらいのお金がかかるのでしょうか。実は、パターン自体はそれほど多くなく、自分で行った場合・宗教施設にお願いした場合とに大きく分かれます。
自分だけで行う場合、わずかな費用でできる
仮に、自分だけで廃車供養を行う場合、必要なものはごくわずかです。車を徹底的に洗車して、車の中も掃除機がけ・拭き掃除をして、思い残すことのないようにします。
その上で、ダッシュボードにお神酒・清めの塩を置いて、今までの思い出とともに感謝の気持ちを伝えます。祝詞やお経を知っている人は、それを唱えてもよいでしょう。
より正式に行うなら、ボンネットを開けてから、お神酒とお塩を車前方に置きます。そして、祝詞を挙げてから2礼・2拍手・1礼して終わります。神社の参拝と同じようなものと理解すれば、分かりやすいかもしれません
神社に頼む場合は3,000~10,000円程度を包む想定で
神社・お寺などに車を持って行き、廃車供養をお願いする場合は、奉納するお金として3,000~10,000円を想定しておきましょう。
神社の方で金額が決まっている場合もありますから、事前に確認しておいた方がよいでしょう。具体的な流れとしては、車を所定の位置に駐車して、神主さん・お坊さんに祝詞やお経を読んでもらう形になります。
一般的な供養と違うのは、その後神社やお寺のスタッフが車を運転してくれるわけではなく、自分で工場などまで運転しなければならない点です。
人によっては、自分も道連れにされないだろうかと不安に感じるかもしれませんが、あなたの愛車なら、きっと大切に送り届けてくれるはずです。今までの思い出を信じて、最後の花道を安全運転で送り届けましょう。
お金よりも気持ちが大事
日本で車が普及したのは比較的最近のため、廃車供養という概念自体もそこまで古いものではありません。廃車供養の始まりは、1989年4月に愛知県豊橋市で行われた、事故車(廃車)を弔うための供養祭と言われています。
どのような供養にも言えることですが、お金をいくら包むのかではなく、死者(廃車)の安寧を祈ることも、日本人として大切なことです。
人間の命を乗せている車が、時として人間の命を奪ってしまうケースもあることから、車に残された無念の魂を供養する意味合いもあったのかもしれません。
こんな方法もある!ドライバーによって異なる廃車供養のカタチ
廃車供養のやり方は、個人差が大きい傾向にあります。自分たちの好きな形で供養ができる分、その方法はドライバーによって様々です。
以下に、神社・お寺などの概念にとらわれない、廃車供養のカタチについてご紹介します。
愛車と最後の思い出を作る
ドライバーとして、廃車になる予定の車にしてあげられることは、最後の思い出を作ることです。ガレージなどで、愛車と一緒に記念撮影したり、色々な場所に旅行して写真を撮ったりと、とにかく愛車と濃密に過ごす時間を作ります。
ミニバンや1BOX車であれば、気軽に車中泊ができるため、あえて宿をとらず車に泊まって楽しむ人もいるようです。
家族総出で思い出の地を訪れるのも、素晴らしい時間になるのではないでしょうか。
あえて廃車にせず、次のオーナーを自分で探す
愛車を手放す場合、車の状態が多少悪くても、修理をすればまだ走れるケースは珍しくありません。
それでもドライバーが車を手放すことを決断するのは、経済的事情や転勤など、何らかの理由で車を持ち続けられないことが原因です。
このような場合、業者に手渡したら廃車になってしまうことが分かっているなら、あえて次のオーナーを自分で探す方法もあります。修理代がかかることを伝えた上で、それでも気に入ってくれるなら、タダで譲ると交渉するのです。
そこまで思い入れのある車を受け入れてくれるドライバーなら、きっと大事に乗ってくれるはずです。
掲示板サイトなどを使えば、不特定多数に車の情報を伝えることができますから、譲渡手続きを自分でできるなら試してみることをおすすめします。
愛車のパーツを外して次の車に使う
メカニカルな部分について詳しいなら、廃車になる前に愛車のパーツを外し、新しい車に引き継ぐ方法もあります。
もちろん、車種の関係で使えないケースの方が多いですから、例えば「エンブレム」などを外して新しい車に取り付ける方法も考えられます。
買取を想定している場合、パーツによっては買取価格を下げてしまうおそれもありますから、純正パーツなどは外さない方が賢明です。価値が認められないもので、思い出に残るものを取っておき、愛車の記憶をとどめておきましょう。
おわりに
廃車供養に限らず、愛車とのお別れの仕方は人それぞれです。走ることが供養になると考える人もいれば、キレイに磨き上げることが供養になると考える人もいます。
もちろん、神社・お寺を頼るのも一つの方法です。自分の満足のいく供養の仕方を十分に考えて、愛車を送り出してくださいね。
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