街中を駆け抜ける「クロスオーバーSUV」のイメージを、日本で最初に演出したのがRAV4かもしれません。時代を経るにつれて、次第に趣味・嗜好に合わせた使い方がフィーチャーされるようになり、世界中で愛される車の一つになりました。
その後もトヨタはクロスオーバーSUVを作り続けますが、トヨタにとってはこれが原点と言っても過言ではないでしょう。この記事では、RAV4の概要・歴史と、実際に乗った人の評判やライバル車についてご紹介します。
目次
RAV4は廃車でも高価買取が狙える!
RAV4は国内市場だけでなく、海外でも人気があることをご存じでしょうか。もともとハイエースやカローラなどトヨタ車の人気が高い傾向があるなかで、ミドルサイズSUVはすぐに海外マーケットでも受け入れられました。
海外市場でも使い勝手のよいSUVは大変ニーズが高いです。悪路での安定した走行性や、居住性を兼ねそろえたRAV4は、実用性のうえでも多くのユーザーに支持を得ます。初代モデルから現行の最新モデルまで、どのレンジも満遍なく需要が高いのが特徴です。
RAV4は事故車や不動車でもOK
人気が高いのはわかったけど、動かない車ではダメでしょ?
そう思っている方はいませんか。たしかに動く車や状態の良い車両のほうが、高価査定を狙いやすいのも事実です。さらに豊富なオプション(寒冷地仕様やセーフティセンス、ムーンルーフなど)が装備されていれば言うことはありません。
そういったコンディションのよい車に関しては、まだまだ日本国内の中古車市場でも需要があります。走行距離の多い車両であっても、国内用の査定額が期待できるでしょう。
一方で長らく放置していたためにエンジンがかからない車や、事故でフロント部分が大破してしまった車など、商品価値が著しく落ちている場合でも、廃車業者は金額をつけて買い取ってくれることが多いです。理由はかんたんで、中古部品の需要が高いからです。
解体処理後の中古部品を再販する
廃車買取業者は基本的にどんな状態の車両でも買い取っていきます。引き取った車は解体処理をしたのちに、まだ使用できる部品とそうでないものに仕分けされます。(壊れてしまったパーツのほかに、鉄やアルミなど資源として再利用できるものがあります)
RAV4の品質の良い中古部品は、日本国内だけではなく海外市場にも売りに出されます。エンジン・ミッション・サスペンションといった機構部。ボンネット・ドア・バンパー・フェンダーといった外装部。ほかにも内装部品からスイッチ類、ライト類とどんな部品にも需要があります。
生きている車を海外に運び、乗り続けているうちにやがてぶつけたり、調子が悪くなったりという事態は必ず起こります。すると代替えの部品が必要になるのですが、自国の車ではないため、品数はけっして多いわけではありません。日本国内で廃車業者が解体処理のうえばらした中古パーツの一つ一つが、求められて海外に渡っていきます。
RAV4を高く売るコツ
これはRAV4に限らずどの車種にも言えることですが、今からお伝えする方法以外に高く売るコツはないと言っても過言ではありません。
それは査定をする際は1社で終わらず、複数(できれば3社以上)の業者にきくことです。まず1社の査定では金額のポテンシャルがわかりません。2万円と提示されたところで、それが高いのか安いのか、判断することができませんよね。
この高いのか安いのか判断できない、という点が足元を見られる金額提示につながるのです。正しい情報を持っていれば、提示額に対して適切なジャッジをくだすことができます。
とはいえ一般の方がクルマの相場観など持ち合わせているはずがないですよね。だからこそ複数の業者に聞くことによって、愛車の金額の裏付けをとっていくことへとつながります。
幸いなことに廃車の査定では実車を見ることなく査定ができます。電話やお問い合わせフォームで簡単な内容(車種や年式、走行距離など)を伝えるだけで、査定額を出してくれるのが特徴です。もしこれが高年式の車でしたらここまでスムーズにはいきません。どうしても現車を見る必要があるので、金額を出すためだけのアポイントをとる煩わしさが出てしまうのです。
廃車査定のこの手軽な特徴をいかして、複数の業者に値段の確認をとり、そのうえで最終的な処分先を決めることを強くおすすめします。はじめの1件に連絡すると気づくことなのですが、”廃車の査定ってこんなに簡単なのか!”と膝を打つこと間違いなしです。
また廃車業者が抱えているオーダー状況によっても査定額は変化します。在庫をかかえた業者は、すでにお腹いっぱいですから必然的に低査定になりますし、その逆にたくさんの入庫を待ち望んでいる業者もいます。これはタイミングとしか言えませんが、1社だけにあたるとなると、なかなか良いタイミングにあうことは難しいでしょう。
いかがでしょうか?『RAV4は海外市場も視野に廃車査定が期待できるので、なるべく複数の業者に問い合わせるのがベスト』ということがおわかり頂けたと思います。それでは次章から、RAV4の知識(概要・歴史・評判・ライバル車など)について紹介していきます。興味がある方はぜひ目を通してみてください!
ハリアーとは違う、人生エンジョイ型のクロスオーバーSUV
トヨタのクロスオーバーSUVとして、日本で高い知名度を誇っているモデルの一つにハリアーがあります。
こちらがフォーマル・ラグジュアリーな印象であるのに対し、RAV4はプライベート重視・人生エンジョイ型の車として認識されています。
Recreational Active Vehicle 4Wheel Drive=RAV4
RAV4のRAVは、日本語で「ラヴ」と読みますが、これは「LOVE」にかけた意味ではありません。
英語表記の「Recreational Active Vehicle 4Wheel Drive」を略したもので、アウトドアだけでなく街中でも楽しめる車という意味が込められています。
本来、Recreational Vehicle(RV車)というジャンルは、海外ではキャンピングカーを指すものでした。
しかし、日本では敷地が狭いなどの理由からキャンピングカーの需要が少なく、レジャー・レクレーションなどに使える車全般をRV車と呼んだため、RAV4のような解釈のSUVが生まれたものと考えられます。
トヨタが北米で人気を集める車の一つ
RAV4は、初代こそ国内で本気で売り出すことを想定して作られましたが、結果的に北米など海外での売上が芳しかったことから、次第に海外を重視して作られるようになります。
ボディサイズが大型化し、3.5リッターエンジン・3列シートなども販売され、実用性の高さが磨かれていきました。
オンロードを想定していても走りは本格派
本来、RAV4は日本における街乗りを想定して作られていましたが、もちろんオフロードにも適性があります。
最低地上高は高めで4WD・下部を樹脂プロテクターで覆ったボディなど、足回りを整えれば十分戦える車になります。
初代は室内空間が貧弱だったため、悪い評価も少なからずありましたが、その後大型化が進むにつれて日本で人気がなくなってしまったのは皮肉な話です。もっとも、高い走破性を誇る車を走らせるには、海外の方が都合は良かったのかもしれません。
東京モーターショーに現れた新星
RAV4の登場は、1989年の東京モーターショーが最初です。この頃のフロントグリルはイカツい雰囲気で、全体的にクロカンのイメージが強く、街中を走るニュアンスは感じられませんでした。
しかし、実際に販売された際にはグリルも乗用車風に変わっており、スマートな印象へと変化しました。街・海・山のどこにあっても、違和感のない車に仕上がったのです。
3ドアでスポーティーな印象のSUV
RAV4に3ドアのモデルがあったことを知っている世代は、おそらく「可愛らしいSUV」というイメージで初代を見ていたかもしれません。
乗用車と同じモノコックボディですから、舗装された道路を走るのが主な目的で、女性が乗っても変な目で見られることはなかったでしょう。
日本だけで考えた際、そのままサイズを変えていなければ、ジムニーシエラなどをライバルとして想定できたかもしれません。
しかし、北米市場はビッグサイズをトヨタに望んだため、結果的にサイズを大きくする方向性へと進化しました。
初代は「キムタク人気」で話題になった
初代RAV4が人気を集めたのは、必ずしも本体の性能ばかりがクローズアップされたとは言えません。
発売当時、国民的スターだった「キムタク」こと木村拓哉さんがCMに出演しており、その影響があったという意見もあるからです。
3ドアのモデルは長くは続かず、2代目の前期型で姿を消し、その後は大型化へと進んでいきます。コンパクトさを捨てたことで、日本では今一つ人気が伸び悩み、代わりに北米市場で人気を蓄積していきます。
アメリカで成長してから、よりカッコよくなって登場
海外での成績に対して、日本では伸び悩みを見せたRAV4は、3代目で一度日本市場から撤退しました。その代わり、ハリアーという新しいフラッグシップを得たことにより、日本でもSUV人気が高まります。
そこで、北米市場で5代目を発表すると、その世界的人気も後押しして、日本国内でもRAV4を販売する動きが生まれます。
かつて大きさを追い求めた時の力強さだけでなく、きめ細かい使いやすさにも配慮したSUVとして、よりカッコよくなって錦を飾りました。
総じて満足度の高いRAV4
RAV4の満足度はSUVの中でも高い部類に入り、クロスオーバーSUVとしてドライバーの心をつかむ要素を数多く揃えています。しかも、そのポイントはドライバーによって異なるため、高評価だけど評価の内容は一面的ではないという特徴も備えています。
クロスオーバーSUVはこだわりが映える
クロスオーバーSUVにドライバーが求めるものは、走破性や耐久性・カッコよさなど様々です。そして、それぞれのニーズに対し、RAV4は柔軟に応える要素を備えています。
- フルエアロでエクステリアに磨きをかける人
- 雪道・悪路での走破性を重視する人
- サンルーフなどの装備にこだわる人
- 室内の居住性を第一に考える人。
それぞれの考え方・こだわりを理解しつつ、オプション・パーツ含めSUVとして必要最低限の機能を備えていることが、RAV4の良さ・面白さかもしれません。
非力さが目立つという意見も
見た目や走りの部分では満足しても、エンジンパワーに不安を覚えるドライバーから、非力だという声も聞かれます。3代目モデルのエンジンは2.4リッターとなっていますが、それでも車重が仇となって坂道では力不足だと感じるケースも。
走行性能では、カーブ・直線ともに揺れを感じやすく、ブレーキや加速でも揺れを感じるという意見があるため、スピードやタイヤの質には気を付けた方がよいでしょう。
ハイブリッドの燃費には概ね満足か
2019年モデルになると、ハイブリッドモデルも追加され、燃費に関する評価も聞かれます。
ハイブリッドのメリットである静かさを保ちつつ、燃費も18~19km/lを実現したドライバーがいることから、車体などの要素を考えると十分満足のいく結果と考えてよいでしょう。
RAV4はライバル多数!
RAV4が登場した時期、他メーカーも人気クロスオーバーSUVを市場に送り出しており、長きにわたりライバル関係にある車が見られます。以下に、主な車をご紹介します。
スバル・フォレスター
パワーユニットにモーターをプラス(e-BOXER)したグレードを追加し、燃費を向上させつつ走りを磨いた一台です。
デザインは代を追うごとにがっしりし、5代目はマッチョな見た目がクロスオーバーSUVであることを忘れさせるほどです。
深雪・ぬかるみから脱出するための機能「X-MODE」も健在で、坂道でのスピードを減らすヒルディセントコントロールのような安全機能もあります。
よりアクティブに楽しみたい人・見た目より走行性能を重視する人におすすめです。
ホンダ・CR-V
RAV4の宿敵として語られることが多い車です。
イメージでは、RAV4の方がよりオフロード向きとして捉えられていますが、極端な能力差があるわけではありません。
HYBRID EX・Masterpieceのグレードを例にとると、公式燃費は20km/l以上となっており、こちらも強力なライバルになります。
マツダ・CX-5
クリーンディーゼルという武器を備えたSUVで、こちらはオンロードを主体としたイメージです。
外観だけなら外車と見間違えるほどのスタイルで、都会の雰囲気に馴染むモデルです。ただ、後部座席の広さがやや不利かもしれません。
おわりに
RAV4の得意分野は、代を通してオンロード・オフロードに強く振れることがなく、それが逆に特徴を失わせてしまったことは否めません。
また、大きさも北米市場を想定してサイズアップしたことから、初代を除き日本でも売上は今一つでした。
しかし、時代がSUVを求めるようになり、ハリアーなど別車の成功が功を奏したこともあって、RAV4は日本に帰ってきました。今後、新しい時代を作れるかどうかが注目されます。
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